プリンセス☆ロード





「ククク、怯えた顔もいい」






その化け物はそう言って笑うと一歩私に近づいた。










「いや…来ないで…」










逃げなきゃ、と思うのに足がうまく動かない。
一歩下げた足がもつれその場に転ぶ。

勝ち誇ったような化け物の笑い声が響く。









「ククク、恐怖に怯えながら死ね!」









高く振りかぶった爪。
頭によぎる“死”…。













「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」











恐怖に目を閉じた私。
でも、予感していた痛みは襲ってこない。


恐る恐る目をあけると私と化け物の間に入り込む後姿。







「ミナト!?」







間違いなく、ミナトだ。






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