戦乙女と紅~呪われの魔槍の章~
俺は槍を構えて、一足飛びに漆黒の間合いへと飛び込む!

漆黒もかなりの俊敏さを誇るが、速さならば疾風、旋風と呼ばれる俺の方が上だ。

一気に漆黒の間合いを侵略しようとする。

しかし。

「甘い」

漆黒の持つ鋼線は、相当な長さの武器だ。

直線にして十メートルはあると考えていい。

俺が間合いに飛び込む前に、遠間から鋼線が襲い掛かる!

「くっ!」

俺は咄嗟に後退し、鋼線をかわした。

…それでも完璧にはかわし切れず、僅かに左肩が斬られる。

「いかに槍とて鋼線の間合いには勝てぬよ」

勝ち誇ったように笑みを浮かべる漆黒。

確かにせいぜい数メートルの間合いの槍では、鋼線の間合いに太刀打ちできる筈もない。

だが。

「フン」

俺は動揺する事はなかった。

自ら漆黒との間合いを離す。

その間合い、二十メートル。

漆黒の鋼線でさえ届かぬ距離だ。

「何のつもりだ、若造。それでは貴様の槍も届くまい」

「そう思うか?」

俺は片手でヒョイと槍を担ぎ上げ。

「!!!!」

渾身の力を込めて投擲した!!

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