Amarosso~深い愛~の作り方♪
5.夏は憂鬱

   *

少し改めた。

校内では、なるべく関わらないようにした。

だがカテキョはだけは変わらずに続けた。

期末試験がもうすぐだから。

でもそんな変化に麗華は全く気付いていないようだった。

学内でも平気で声をかけてくるし、寄ってくるし、触るし。

多分、その他女子の方が、微妙な変化に気付いている。

あちこちから、さり気ないアプローチが復活した。

たぶん麗華の方もだ。

人気の少ない校舎の廊下を、男子と二人で歩いているのを目撃したことがある。

何も言わないし、当たり前だが自慢しなければ、ほのめかすこともない。

こちらに知らせて、あせらせようとする手も使わない。

そういう対象では無いのだろう。

傾いているのはこっちだけだ。

だからか。

微妙な存在感を麗華の中に残しておきたくて、カテキョの時は、必要以上に甘くしている気がする。

一枝さんに言われた通り、カテキョ自体も辞めるべきにも関わらず。

麗華が大事だとしても、そこまで自分を殺せない。

これが甘えだとわかっていても、まだそこまで大人じゃない。

期限が後少しなら、この位許してほしい。
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