あいつと最後の恋愛・・・できますか
敏則が一人ニコニコしている。

「敏則・・・結婚ってさ人が言ってするもんじゃないでしょ」

「そうだけど・・・玲を見てたらしたそうだもん」

その一言に開いた口がふさがらなかった。

「水島さんはどうなの?」

「俺はいつでもいいですよ。玲が良ければ」

だんだんお酒の入って来ているせいか、みんな敏則と初対面なのに、もうため口になっていた。

「じゃ・・健二と沙織さんはどう思う?」

「私達は早く一緒になればいいのにって思ってますよ。ね、健二」

「そうだな」とにっこり笑って言った。

「ほら~後は玲だけだよ」

「あーうるさいなー敏則、あんた飲みすぎ」

「俺、酔ってないよ。マジ大丈夫だから」

「わかった。この話は終わり」

「終わりじゃない・・玲・・お前結婚しなかったら・・・聡もらうぞ」

一瞬空気が止まった・・・え?敏則って・・・そっち・・・?

「あははは・・・違うよ。海外事業部に連れて行くぞってことだよ。連れて行ったら
結婚どころか、転勤になって離れ離れだぞ。それに・・・金髪のねーちゃんに・・」

バシッと敏則の頭を叩いた。

「痛!」

「敏則・・変なこと言わないの。ただでさえイケメンで独身で、彼女の気配もないあんたが言ったら
誤解が起きるわ。それに、聡とは結婚する。だから・・連れては行かないで」

みんなが私を一斉に見た。

「結婚するっていったよな」

「言った」

「確かに言った」

「玲?」

しまった・・・勢いで言ってしまった・・・。

「帰るわ」自分の言った言葉に固まってしまった。

「聡、連れて帰ってあげて」

「そうする。ごめんお先」

「聡、玲をよろしくお願いします」

「わかりました」

先に店を出た。

どうしよう・・・この後の言葉が出ない・・・。

ただ黙ってタクシーに乗って家まで向かった。
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