あいつと最後の恋愛・・・できますか
偶然
健二が指輪を買うと言ったのでジュエリーショップに行った。

沙織は何度もいらないと言ったのに、健二がどうしても買うと言って聞かないらしい。

結局沙織にプレゼントするリングをみんなで見ていた。

「玲も買ってもらったら?」

「は?いらない」

「聡買ってあげたら?」と沙織がニヤリを笑った。

「そうだな・・・」と言って違うウインドーを覗いていた。

そこに腕を組みながら見たことのあるカップルが入って来た。

「あ・・・加奈だ」沙織の声にみんなが一斉にその二人を見た。

「あら。みんなで買い物?」

「そっちは?」

「結婚の準備」にっこり笑っている加奈と男性・・・

「へ?結婚!!」その声が店に響いた。

「玲!声デカい」と注意された。

「加奈・・ごめん・・」

相手は確か・・・会社で見たことがある・・・何処の部署だろう・・・

「お前ら付き合ってんのか?」と男性が聞いてきた。

「え?」と見上げると聡が教えてくれた。

「システム部の課長の石本さん」

「システム部って・・・加奈の上司?」

「そう。移動になってからのお付き合いだけどね」笑顔で答えた。

加奈がシステム部に移動になってもう3年だったかな・・・

加奈は私の一年下。営業からシステム部に移動になった。

女性なのにパソコンに詳しくて、資格も持っていたと後から知った。

なるほど・・・

「玲。私から口説いたと思ってる?」こそこそ話が始まった。

「当たり前でしょ」

「加奈ならやりかねない」と沙織も言いだした。

「二人とも・・・でも当たってる」とこっそり言ってくれた。

「おい。何だこそこそして」

「へ?あ!ちょっと」3人で万遍の笑みで返した。

その顔を見て少し呆れた顔を男性3人がしていた。

「じゃ。また連絡するから」と言って店の中で別れた。

沙織は健二の押しに負けて、デザインリングを買ってもらっていた。

沙織はいらないと言っていたが、買ってもらうとうれしそうにはめていた。

「玲・・・お前もいるか?今買おうか?」

「要らない」

「聡。買ってあげなよ」と沙織が言いだした。

「この機会にどうだ」と健二も言っていた

「あのね。人に言われて買うものじゃないでしょ。ったく・・」

「また今度2人で来るわ」そう言って店を後にした。

「結婚か・・・」知らずに口走っていた。

「玲?あんた結婚って言った」沙織に突っ込まれた。

「え?へ?そんなこと言った?」

「うん。無自覚?」

「・・・・・」

「玲もそんなこと考えるんだ」

「年も年だしね・・・」

二人で顔を見合わせながら笑った。

その二人の会話を後ろから男達が見ていたことも気づかずに話していた。

店を出て休憩がてらみんなでカフェに寄った。
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