空の窓から
ああ……。…。「どうしようかな。」

この後の授業に出るのか出ないのかを聞かれているのは明白だ。

正直な所、授業には出たくない。というより、教室に居たくない。

というよりも、最も正確な気持ちで言えば……椅子に座っているだけの退屈な時間が嫌いなのだ。

外で昼寝でもしている方が気は楽だし、周りに人が居ないのは静かで、とても心が落ち着く。


…。

「まぁ、出ないわけにはいかないから…」


授業に出たいわけではないが、色々考えると、結局は教室に向かい、椅子に座る未来は見える。


選択肢。


選択肢は無限にありそうで、実際はそう多くはない。


…いや、実際は無限なんだろう。


ただ、先の見えない選択を出来るほど、強い人ではない…だけなんだろう。


…というより、そんな人は極めて稀。

大半の人は、同じように、ある程度の先が見える…つまりは、打算的な選択をしているのだろう。


…。




…。


「どうしたの?」


その声で、少しだけ気がついた。

どうやら考え込んでしまったらしい。


「また考え事してたんでしょ。」


…ばれてる。

「うん、ちょっとね。」
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