空の窓から
「それで、どうするの?」

んー……。

次は確か現国だったはず、と思いながら、傍らに置いてあった鞄に手を伸ばす。

半開きだった鞄を手繰り寄せ、半透明のクリアファイルを探し出す。

クリアファイルの一番上には、時間割と呼ばれる存在のプリントがあるはずだ。


今日は火曜日で、次の時間は5時間目…っと。

うん、やっぱり現国。


「んー……。まぁ、行こっか。」


現国は嫌いじゃない。

現国の教科書には、謎の記号や、理解不能な横文字やらは書かれてないからだ。

それに、教科書自体が一種の読み物になっているから、授業中に読んで、暇を潰すことも出来る。


…あれ、今、何時何分だろう?

既に歩き始めた窓香は、素朴な疑問を口にする。

「今、何時何分?」


"お互いのことは、まぁまぁ知り尽くしている相手"の返答。

「今は12時50分だから、チャイムまで後10分ぐらいってところ。……自分の携帯見るのが面倒なんだったら、時計ぐらいつけたらいいんじゃない?」


それに対する、私の返答。

「いや、携帯見るのが面倒ってわけでもないし…むしろ時計つける方が嫌だ。」


少しだけ苦笑いしながら、"お互いのことは、まぁまぁ知り尽くしている相手"が言った。

「まぁ、確かに、貴方には時計は似合わないけどね。」
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