JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

「好きだって言ってくれる子が中学の時に現れて、それまでは恋愛とか俺にはよくわかんなくて。好きって気持ちは何となくわかってたけど、付き合うとかもわかってなかった。その子は良い子だったし話も合うけど、それは好きとは違う気持ちだったんだよ」

さっきとは違う背もたれのあるベンチに腰掛けた私達。

手は握られたままだった。

「何度も何度も好きって言われて、付き合ってくれないと泣くって言われた。まだ中学1年でバスケしか知らない俺は、軽い気持ちでOKしてしまった。その子は、学校の人気者だったから、俺との仲はすぐに広まった。まだ付き合ってるカップルもそんなにいなかったのもあるし。で、付き合うって返事はしたけど、俺自身何も変わってなくてさ。気持ちもだし、行動も。今まで通り、バスケ部で毎日毎日バスケして、って」


自分の中学時代を思い出す。

確かに中学1年で付き合ってる人を、ちょっと憧れの目で見ていたっけな。

壮志さんの中学時代、相当モテたんだろうな、なんて思って横顔を見つめる。


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