JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

裕美子と私の午後3時

~裕美子と私の午後3時~

裕美子が出社してきたのは、あの出来事から5日も経った頃だった。

いつも通り隣に座り、「おはようございます。休みもらってすいません」と挨拶をした裕美子を見て、私は裕美子を失うんだな、と覚悟をした。

まだ心のどこかで希望を持っていた。

泣いて謝ってくれて、全部スッキリさせることができたら、と。

でもね、そんなわけないよね。
目も合わさずに他人行儀な挨拶をした裕美子に、そんな希望は打ち砕かれた。

黙って、たまっている仕事を淡々とこなす裕美子の隣で、私だけが動揺しているようだった。

裕美子にとって、私ってなんだろう。
別に、この先の人生で必要ない人間なのかな。

私を失うことなんてたいしたことじゃないんだろうな。

私一人がこんなにもやるせない気持ちを抱えているんだろうか・・・・・・

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