JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

“何か話したか?”と壮志さんからメールが届く。

“何も話せない”と返事をすると、泣き顔の絵文字が来る。

裕美子から声をかけてくれないと話すきっかけがないじゃん、って思ったけど、逆かもしれない。

罪悪感にさいなまれているとしたら、裕美子の方が私を待っているのかもしれない。


「裕美子、3時に下のカフェで休憩しない?」

震える声を隠せたのは、小声だったから。

「え、はい。3時ですね」

また目も合わせずに答えたけど、OKしてくれたことにホッとしていた。

私は、裕美子のことをうらむとか憎むとかそういう感情は湧いていない自分に少し驚いていた。

壮志さんも似たような感情でいてくれることが嬉しかった。

“今から話してくる”とメールをして、席を立つ。


午後3時。

眠そうな上司達があくびをしている。
会社にかかってくる電話の数もぐっと減る時間。



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