きっともう大丈夫
詩織のお腹の変化がみえないので一旦帰ることにした。
・・・といっても今日はハルの家なんだけどね。
一海さんには動きがあればいつでもいいから連絡してほしい
とお願いした。
「沙希・・・おかえり~~」
珍しくハルの方が先に帰ってきていてソファーで雑誌を読んでいた。
「早いじゃん」
「だって~~気になっちゃってさ~~。出産ってすごいんだろうなー」
ハルの読んでる雑誌を覗き込むとそれはマタニティ雑誌・・・
まさか買ってきた?
私が雑誌を凝視してる事に気がついたようで
「これは先輩に借りたんだよ。詩織さんには世話になってるから
何か俺でてつだえることないかなーって。」
「へ~~~随分と御熱心で・・・」
顔を真っ赤にしながら説明してるハルがとてもかわいく見えて
からかってしまいたくなる。
「ねーハル。ハルも子供欲しいの?」
自分でもびっくりしちゃうくらい大胆発言だった。
ハルは私と向き合うと「沙希は?子供ほしい?」
と逆にきかれた・・・
「そりゃ~~女に生まれたんだから子供は産んでみたい」
するとハルがニヤリと笑い
「じゃあ~今から・・・作っちゃう?」
顔を近づけてきた。
「いつ、詩織から電話がくるかわからないんだからダメ!」
ハルから逃げるように離れると・・・
「けちー!温泉旅行は寝かさないからね!」
子供は欲しい・・出来ればハルとの子どもを・・・

すると電話がなった。
相手は一海さんだった・・・
「産まれる?」
明良との再会話・・・・意外に効果あり?
「沙希行くよ!」
ハルは物凄く焦っていたようで雑誌を抱えて家を出ようとしていた。
「ハル・・・それはやめよう」
「あ・・・やっぱり?」
ひとしきり笑った後
私たちはそのまま病院へと向かった。
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