きっともう大丈夫
「・・・・・これを2人でやるの?」
ハルの用意した花火はどう考えても軽く4~5人で楽しむ量だった。
「さすがにこれは無理だよ。余ったら今度、雄太を誘って花火しようよ。」
最初から雄太の事考えて大きめの物を買ってたんだと思った。
私よりも断然若いのに、先々の事をいろいろと考えているんだよね。
嫌みがなくさりげなく・・・・
そんな事を考えていたら・・目の前に花火を差し出される。
「早く花火やるよ。今日はやることがいっぱいなんだから」
「この後もなんか予定があるの?」
「ナイショ・・・・とりあえずは花火でしょ~~」
そう言うと次々と花火に火をつけて、まるで子供の様にはしゃいでいる。
そんなハルの姿をみていると9年前の無邪気な高校生だった頃を
思い出してしまった。
こういうところって基本変わってないかも。そう思ったら何だか笑えてきた。
「ねぇー。さっきから何笑ってんだよー。俺一人で花火やってるみたいなんだけど?」
そうやって拗ねるとこも・・・変わんないんだけど
そこがいいんだよね。
私はハルの持っていた花火を取り上げ花火を楽しんだ。
「あ!俺が今、火をつけたのにー」
「いいからいいから~~早くやるよ。」

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