きっともう大丈夫

俺は大きく深呼吸をすると
沙希の目をしっかりと見つめ、手をとりそれを
俺の口元まで運ぶと指にキスをし、
「雪村沙希さん・・・・俺、前野春斗と結婚してください」
なんの飾りもなくストレートにプロポーズをした。
沙希の手は震えていた。
俺はその手を包み込み、見つめると
目からたくさんの涙を流しながら微笑んでした。
もっとこの顔を楽しみたいと思う気持ちを
むりやりかき消し
「返事聞かせてくれる？」
と言った。
沙希手で涙を拭うと
「・・・・はい。喜んで・・・」
笑顔で返事をしてくれたが、またしても涙で顔はぐしょぐしょだった。
俺はさっきの小さな箱を開け指輪をとりだした。
沙希はびっくりしたように俺の顔を見た。
「これ・・・・」
俺は沙希の左手を持つと薬指に指輪をはめた。
「ぴったり・・・」
沙希は指輪そのものよりもサイズがぴったりだった事に
驚いている様だった。
「詩織さんに聞いたから・・・・」
沙希は指輪を愛おしそうに眺めた。

そして改めて思った。
すっげープロポーズになったって。
俺たち、裸のままプロポーズして裸のまま指輪をプレゼントしたんだから
ある意味忘れられないプロポーズになったかも・・・・