きっともう大丈夫
働き始めて半年たち仕事も徐々に増えた
最近はステップアップしてミニ花束や仏花を作らせてもらえるようになった。
自分の作ったものが売れるのはとてもうれしい。
もっといいものをつくりたい。
素敵なアレンジを作ってみたいと思うようにもなってきた。
悔しいけれど鈴木君のアレンジのセンスはピカイチだ。
彼の様なアレンジを作りたい。いつの間にか彼が私の目標になっていた。

仕事が終わり、スタッフが1人2人と帰って行く。
最近の私は夜遅くまでアレンジの勉強をして出来上がったものは翌朝
鈴木君の厳しいチェックをうけ駄目だしのオンパレード。
元々口が悪い鈴木君の駄目だしといったら、か弱い乙女は立ち上がれなくなるだろう。
最近知ったことだけど、鈴木君の指導についてこれた子はほとんどおらず
1週間くらいで辞めてく子がほとんどで、私はかなりレア。
ここまで頑張れば辞めることはないだろうとみんなも認めてはじめていた。
技術はまだまだだけど、人間関係は良好。
ちなみに優香ちゃんはというと・・・
あれだけ多田さんは嫌だと言っていたのに、この半年でずいぶんたくましくなっていた。
最初はちょっと日焼けしたくらいで大騒ぎだったのに今じゃ~
多田さんといいコンビで頑張ってる。肌の色もいい具合だ。

今日も私は閉店後、一人でアレンジの特訓をしていた。
鈴木君は雑誌の撮影のためスタジオでアレンジ作りをしているらしい。
時計は夜の10時を過ぎ、」もうそろそろ帰ろうと片づけをしていたら
ガタっと裏口の方から大きな音がした。
え泥棒!
今までこんな時間に人が来ることはなかったので身構えた。
万が一のために鋏を構え戦闘態勢を整えた。
「お前なにやってんだ?俺を刺す気か?」
「す・・鈴木君!」
そこにいたのは泥棒ではなく鈴木君だった。
「刺したいほど嫌いだってことはわかるがそれは勘弁しろよ」
「・・・・・泥棒かと思っただけで別に刺す気なんてありません」
もうちょっと言い方ないのかな?
私だってこんな言いかたしたくないのに・・・・
「私、もう帰りますが鈴木君は?まだいるなら施錠お願いしたいんですが・・・」
「おれも道具片付けに来ただけだからもう帰る」
「わかりました。じゃあ私、施錠して帰りますので・・・お疲れ様です」
そういって電気を消そうとすると・・・
「おい」
「はい?」振り向くと
「飯、食いに行くぞ、車出すから施錠したら裏口で待ってろ」
は?何その言い方・・食いに行くぞじゃなくて食いに行かないか?
とかじゃないの?
「それは命令ですか?」
「命令ではないが・・・拒否権ないから」
ちょっとかっこいいからってどんだけ上から目線なのよ!
でも、おなか減ってるし、一応先輩だから・・・行ってやるよフン!
私は施錠を済ませ、鈴木君の車に乗った。
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