きっともう大丈夫
どうして?今までそんな素振り一つもなかったじゃない。
急にそんな甘い声で囁かれたって、素直に聞ける訳がない。
「冗談はよしてください」
「冗談なんかじゃない。一生懸命仕事に取り組む姿や勉強してる姿を
俺は一番近くで見ていたつもりだ。そんなお前の姿に惹かれて・・・
気がついたら好きになってた。」
すごくドキドキしているのはわかる。
でも私は鈴木君の事を今まで恋愛対象外にしていた。
だってそうでしょ。
物凄くかっこいいし、もてるし、フローリストとしても腕も凄い人
だけど、私にだけ口が悪かった。
絶対嫌われてると思ってたんだもん。
それが今好きだって言われて、はいそうですかって言えますか?

私を抱きしめている腕をゆっくり離し向き合った。
「びっくりした」
「だよな」
「びっくりしすぎて・・・・」
「うん」
「時間ちょうだい」
「どのくらい?」
「・・・1か月・・・長い?」
「大丈夫だけど何で?」
「鈴木君のことし知らなすぎるから・・・もっと知りたいの。返事はそれから」
「わかった。そのかわりお願いが1つだけある」
彼は物凄く恥ずかしそうに別方向を向きながら名字じゃなく名前で呼んでと言った。もちろん今日みたいなプライベートの時限定。
「じゃあわたしも。お前じゃなく沙希って呼んでね。」
それから私たちは講演のベンチでお互いの事をいろいろ話をした。

この二人が本当に付き合うことになったのはこの告白から2週間後だった。
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