きっともう大丈夫
「お前、妊娠しないって言ったよな」
怒りがこみ上げる。
男なら殴りかかっていただろう。
でもこの女は俺が睨もうが笑顔を崩さず
さらに俺に追い打ちをかけてきた。
「私、絶対産みますから。明良さんの子ならきっと
綺麗な子がうまれるんでしょうね。」
俺は俺は震えるこぶしを机に叩きつける。
「あっ。沙希さんには私から言った方がいいですか?」
「やめろ!」これ以上ないほどの怒声だった
吐き気がする、何でだよ・・・・沙希じゃなくてなんでお前なんだよ・・・
「・・・俺が話す。お前は何も言うな・・・・」
菜々美はまるで勝ち誇ったような笑顔で言った
「じゃあお願いね。パパ」


それから店を2人にまかせて
そのまま帰った。何でこうなったんだろう。
こんなにもこんなにも沙希が好きで堪らないのに・・・・
俺が菜々美の子を堕すと言ったら沙希はなんて言うだろう。
・・・・きっと許さないだろうな。
俺の事も・・・許さないだろう
気がつくとジーパンの太腿の辺りが湿っていた。
俺・・・泣いてるのか?
自分の犯した小さな裏切りがこんなに形を変えてかえってくるなんて
思ってもしなかった。
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