きっともう大丈夫
「沙希。そろそろ時間じゃない?」
「え?!もうそんな時間?」
時計を見ると打ち合わせの時間の30分前。
慌てて資料をカバンに詰め込む。
今日は朝からブライダルの打ち合わせが2本もあった。
1件は来店してくれたので店で打ち合わせをしたんだけど
もう1件は店から歩いて10分ほどの所にある結婚式場だった。
そこのオーナーと一海さんが知り合いっていうこともあり
うちの店と提携している。
今日はそこで結婚式を挙げるカップルとの打ち合わせがあった。
「いってきまーす」
私は小走りで打ち合わせ場所へと向かった。

それから1時間後、打ち合わせは一応終了したが本当に疲れた。
いろんなカップルを見てきたが、こんなにいちゃいちゃする
カップルは見たことがなかった。
まじで、バカップルを超えた超バカップル?
今まで自分が手がけたブーケやブートニアの写真をまとめたものを
二人に見せるのだがこの二人・・・決められないのだ。
これもいい、あれもいいと言い、これもに合うだのあれもに合うだの
褒めまくるだけで決断力がない。
最近の若者はみんなこんなものなのか?なんだかな・・・
そして私はこの、いつ終わるかわからないバカップルトークに耐えた。
結局、私が勧めたものに決まったんだけどね。
そんな打ち合わせだったから凄く疲れた。
精神的にも疲れた。
頭の中では早く帰ってビールが飲みたい、雄太に癒してもらおうか
などといろいろ考えていた。その時だった
「沙希さん・・・・・だよね?」
いきなり見知らぬ男に声を掛けらたのは・・・・
まさかその相手がハルだとは思いもしなかった
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