きっともう大丈夫
初めて本気で好きになった人は俺よりも9つ年上だった。
高校生の時、自分の思いをぶつけたが、年齢の壁にぶち当たる。
しかもその直後、その人は俺の前から姿を消した。
その理由がまさかの男がらみ・・・
男と言っても俺じゃない、別の男。
悔しかった。絶対振り向かせてやるって思っていたのに
振り向かせる機会さえも与えられなかった現実。
早く大人になれば何かが変わっていたのかもしれない。
そう思った俺は勉強にのめり込んだ。
いい大学に入って、いい成績で卒業して、いい会社に就職。
俺はそれを実行した。
もちろんその間にいくつか恋愛もした。
自慢じゃないが女に不自由したことはない。
彼女以外には・・・・
でもほとんど長続きしなかったし本気にもなれなかったと思う。
しかも彼女になる女はどことなくあの人に似ていた。

あの日からあの人とは一度も会ってない。
この先もきっと会うことはないのに
何で俺はここまであの人に執着してしまうんだろう。
あれから9年が経ち俺は26歳、あの人はおそらく35歳くらいだろう。
だったらもう結婚して子供がいてもおかしくないだろう。
それでも俺は先の見えない未来に何かを期待してしまうんだ。
これはもう病気としか思えない。
< 61 / 137 >

この作品をシェア

pagetop