きっともう大丈夫

揺れる心

はぁー
朝から何度目の溜息をついたのだろう~
気持ちを落ち着かせようと思うと溜息がでる。
ハルと2人きりで会うのが嫌な訳ではない・・ないけど
緊張なのかな?・・・緊張なんだろうな~
ドキドキって鼓動が体中に響く感じ・・・
この感じ・・・何年振りだろう~
ふと明良の顔が浮かんだ。
明良と初めて行ったあの公園・・・
あの時も何だか落ち着かなくって
今みたいにドキドキしてたっけ。
明良の事は年月が解決してくれた様に今は思い出の一部となった。
気にならない訳ではない。
でもそれは愛情でもなく・・・かつて一緒に暮らしていた人への情なのかも
しれない。
ハルは私の事を諦めてないといったけど
私の事を過大評価しすぎじゃないのかと思う。
あなたの知らない私の9年間をハル・・・あなたは受け入れることが
できるのかしら・・・
きっと空白の9年間の事を聞いてくるであろう。
そのことを知ってあなたは幻滅するのだろうか・・・

このため息はもしかすると幻滅して嫌われるんじゃないかって
思われるのが嫌だからなの?
複雑な思いを胸に私はアパートを出た。
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