不意打ち男子のずるいとこ





「うん、そう」


でも隠すこともなく笑顔で答えてくれたナツキに嬉しさがこみ上げる。



すると、いきなりナツキが私の後ろに立って、ぎゅっと抱きしめてくる。



って、え.........?!


みんながいるところで、こ、こんなことしていいの?!



恥ずかしいっ...!!!



赤くなる私を見て、2組の子は「そ、そっか...」となぜか切なそうに見つめてくる。




それよりも...近すぎる距離にほんとにドキドキ!


しかもみんな、目を見開いてて私達を見てるし.....。




そんな中、ナツキが廊下の方へ顔だけ向けて、何かを言う。





一瞬、時が止まったけれど



「ヒューヒュー!」

「いいぞ〜!」

「もう、こっちが恥ずかしいわ!!」




なんて歓声に近い叫び声が教室を包みこんだ。



当の本人は恥ずかしがるわけでもなく、私をぎゅっとしたまま満足そう.....。





「な、ナツキ...恥ずかしいよ」


「.....ん、ごめん」



でも悪びれた様子もなく、さらにギュッギュッって抱きしめる力を強くする。



そんな守谷が可愛いくて。



私はフフッと笑う。





.......ほんと、不意打ちだよね。




たくさん人がいる中で





「ネイは...俺のだから」



なんて言うんだもん。









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