先生、甘い診察してください

薄情するしかないんだろうけど、言いにくいなぁ……。


１９歳も年上の人を好きになった、なんて。




「確かに、カッコイイ人だったけど……チャラくない？」

「へ？」

「耳にピアスしてたし……」


ちょっとちょっと、日向くん？





「こんな事言うのはアレだけど…チャラチャラした人は、あやには似合わないよ」



……間違えてる。



日向くん、勘違いしてる。


私の好きな人は、櫻田先生だって思いっきり誤解してる。



「あの、日向くん…櫻田先生じゃなくて、もう１人の」

「もう１人？あー、そういや、なんかもう１人いたな。ボケーっとした奴が」


えぇー!!


日向くんにとって、大橋先生の認識度ってそんなもの？




「あの…私、あの人の事、好きじゃないから。そこは勘違いしないで」



とにかく誤解は解きたい。



「は？マジ？」

「うん。私……ああいうタイプは、好きじゃないから。むしろ、苦手」



私がそう言った途端、日向くんは安堵の表情を浮べた。



「…だよな。あやは、チャラそうな人は好きじゃないよな。勝手に誤解して、悪かったな」



よかった、誤解が解けた。