先生、甘い診察してください



その話を聞いて、余計に複雑な気持ちになった。





「智也ってさ、患者さんとコミニュケーション取る事も大切にしてるし、先生っぽくないから親しみやすいでしょ?」



確かに。一理ある。




陽菜ちゃんが、あんな風に慕う気持ちは…よくわかる。


それ以前に陽菜ちゃんはきっと智也さんの事が……。





「さっき…抱きついてたけど…」

「多分…昨日、急に歯が痛み出したせいで不安定になってるんじゃないかな」


だからって……。





「智也さん、嫌がってなかったですね……」



まんざらでもないって事?






「よし、あやちゃん」



櫻田先生はソファーから立ち上がって、私の前で立て膝をついた。


…なんか、キザ!





「いっその事、俺に乗り換えな」

「……嫌です」



即刻お断りした。




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