BitteR SweeT StrawberrY
『大ちゃん?どうしたの?大丈夫?
知らないアドレスだったから、びっくりしたよ…
ご両親とか、きっと心配してると思うよ。
今、どこにいるの?』
あたしはメールにそう書いて、とりあえず、送信ボタンを押してみた。
きっと大輔は、切羽詰まってるというか…
追い詰められているというか…
まぁ、どうして詐欺なんかしたのか、大体の想像はつくけど、でもきっと、ここに来て自分のした事の重大さを、いまさらながら、認識したのかもしれない…
大輔からの返事を待ってる間、あたしは新規メールの作成画面を開いて、とりあえず、ケイに宛てて、大輔から連絡が来たって報告してみた。
それを送ると同時に、また、新しいメールの着信を知らせるアイコンがディスプレイに点滅する。
すかさずそれを開くと、やっぱり大輔だった。

『今は…今は…
とりあえず、小田急沿いの…
川崎辺り…
俺…どうすればいいんだろう?
どうしたらいいんだろう?
ほんとごめん…
ごめんね…
優子ちゃんには、ほんとに悪い事したと思ってるよ…
だけど、優子ちゃんにしか連絡できなくて…俺…どうしたらいい?死ぬしかないよ…
もう…』

メールの文面に、大輔の苦しみのようなものが、にじみ出てるような気がしてた。
これは、ちょっとマズイかもしれない…
ほんとに、自殺しちゃうかもしれない…
そう思ったあたしは、とにかく冷静に考えようって思って、一度大きく深呼吸する。
どうしよう…
なんて返したらいいだろう…
確かに大輔は、あたしに対して、飛んでもない侮辱というか、屈辱というか…そう言うのを与えた張本人だ…
結局、切羽詰まって追い詰められたのは、本人の自業自得であって、いまさらあたしが、この人を助ける義理なんかない…

だけど…
三年間、恋人として付き合ってきたのは事実で、浮気してたの気付かなかったのは、ある意味あたしの落ち度もあって…
付き合ってきた三年間全てが、嫌な思い出ばかりという訳じゃない…
付き合ってた事は事実だし、確かに大輔のことは好きだった…

どこか煮え切らない気持ちだったのは確かにだけど、それでも、三年って時間は決して短い時間じゃない。

あたしは、意を決して返信ボタンを押し、メールにこう書いた。

『大ちゃん、早まったら駄目だよ…
大ちゃん死んじゃったら、ご両親だって、凄く悲しいと思う。
話せば楽になるのかな?
会って話してみる?
場所教えてくれれば、あたし…
会いにいくよ…
これからどうするか、一緒に考えよう…
ね?』


送信ボタンを押して、あたしは、もう一度大きく深呼吸する。
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