犬との童話な毎日

***

その知らせは、昼過ぎに来た。
午後イチの授業。
眠たくて眠たくてしょうがない、数学の時間。

振動したスマホを、机の下でタップする。

≪産まれました!≫

きっと沙月ちゃんの旦那様が、代わりに送ってくれた文章。

その後に送られて来た写メを見て、眠気は完全に吹き飛んだ。
おくるみに包まれて眠っている赤ちゃんの画像。

ね!見て!
見て見て見て見て!!

嬉しさのあまり、足元に寝そべる黒曜にスマホの画面を向ける。
気付いてくれないから、足の爪先で床をとんとん、と軽く蹴る。
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