犬との童話な毎日
家に戻れなかったのかな。
迷子とか?
でも動物ってキソウホンノウがあるとかって言わないっけ?
どんなに離れても住処に戻る本能ってヤツ。
「……公園?あそこの?」
腕の中のクロを見下ろしながら、黒曜が呟く。
くぅん、と鼻を鳴らして、黒曜を見上げるつぶらな瞳。
黒曜も鼻は鳴らすけど、いつもふん、と偉そうな感じ。
くぅん、なんて聞いたことない。
「公園に住んでたの?」
あたしに視線を移すクロは相変わらず、人形を咥えている。
どんだけ気に入ってんだ。
いい加減、ヨダレでべたべたになってそう。