犬との童話な毎日

一瞬視線を流すと、ブランコに座っている黒曜が見えた。

本当に無駄にイケメンだ。
くっそーー。

でもいつまでも無言でこの子を見下ろしている方が不審者みたい。

ごくり、と生唾を飲み込んで、見上げて来る女の子の手元を覗き込む。

「……何を捕まえたの?」

「……えっと。虫」

「……そ、そっかあ。虫かぁ」

いや、それは分かってるよ。

最近の子供は警戒心をちゃんと持てて偉いとは思うけど。
困ったな、これからどうしたら良いのさ。

かちゃかちゃ音を立てながら、虫かごの蓋を開けようとしているけど。
片手が塞がっているから苦戦してるみたい。

しゃがみ込んでそっと蓋を開けてあげる。
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