犬との童話な毎日

名前を聞くと、ゆい、と教えてくれた。
小学校二年生らしい。

「ねぇ、知らない人に名前とか、年とか聞かれても教えちゃ駄目なんだよ」

「あ、忘れてた」

「ちょっとちょっとー。気を付けなよ。玩具買ってあげるからおいでって言われたらどうするの?」

「あたし、そこまで子供じゃないし」

いやいや。
丸っきり子供ですから。
つい最近まで一年生のものすごーく目立つ黄色い帽子、被ってたでしょう。

とは一応口に出さないでおく。
女の子の精神年齢は、見た目とは違うとか聞くから。

「あ、そろそろ帰らなくちゃ。ママに怒られちゃう」

またね、お姉ちゃん、と手を振ってくれる。
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