犬との童話な毎日
きーーっ、と叫びたい気持ちを抑えて、深呼吸。
駄目駄目。
黒曜みたいなおじいちゃんに感情的になっても、まともな会話なんて望めない。
落ち着いていこう。
ふーーー、と息を吐いて、黒曜の足元でぬいぐるみを咥えているクロに目線を落とす。
「……じゃあさ、ゆいちゃんはなんだったの?飼い主じゃなかったってこと?」
「飼い主というか主人だな」
「はあ?さっきから何言ってるのかさっぱりなんだけど!ゆいちゃんは犬は飼ってないって言ってたんだってば!」
速攻で声を荒げてしまうあたし。
精一杯睨んでも、黒曜から返ってくるのはいつもながら無感動な反応。
「小娘。犬ではない」
また小娘って言った!
苛々した思考では、いつもの呼び名への不満も爆発しそう。