シンデレラガール
やっとドラマの制作発表が終わり、楽屋へと戻る。


「聖奈。この後、雑誌の撮影とインタビューだから、すぐ移動ね?」


あたしはパッパと着替えを済ませ、楽屋を出る。

楽屋の外には、たくさんの記者やカメラマンが待ち受けていた。

それをヒロちゃんが、うまくかわす。


「全く。次から次へと、どこから嗅ぎ付けて来るんだか」


先ほど空港から乗って来た車に乗り込むなり、ヒロちゃんが愚痴を零す。


「まぁ。あの人たちも、仕事だからね」

「有ること無いこと、大げさに描くのが仕事ね」


それを楽しみに待っている読者が居るのもまた、事実。

だから彼らの仕事を否定しても、仕方ない。


「嫌な仕事でも、誰かがやらなきゃいけないでしょ?」


あたしの言葉にヒロちゃんは口を尖らせながらも、渋々納得したようだ。

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