カットハウスやわた
八幡さんと麗奈さんの間
や、やり直す⁉︎八幡さん、奥さんのこと『星になった』って、言ってなかったっけ⁉︎


この、麗奈さんと呼ばれる女性が、八幡さんの奥さん?それとも、奥さんは亡くなっていて、麗奈さんは元カノかなんか?どちらにしても……八幡さん、モテるんだな……。


「……ずいぶん勝手なことを言うね。男ができたんじゃなかったっけ?」


八幡さんは冷静に言うと、汗をかいたアイスコーヒーを飲んだ。


「もう別れた。やっぱり、正海が……」


「でも、商店街の退屈な散髪屋に嫌気がさしたんだよね?それで、やり直せるの?」


「それでも、やり直したい」


「うーん……」


八幡さんは、天井に視線を向けた。私は、八幡さんと麗奈さんの間でどうすることもできず、ぼんやりと突っ立っていた。


「もしかして、正海……」


麗奈さんの視線が、私を刺した。


「この娘に気があるから、雇っているわけ⁉︎」


え?ええっ⁉︎思わぬ発言に、頬が一瞬で赤く染まった。そんなはず、ない。


「そんな言い方するのは、綴喜さんに失礼だよ」


『そうだよ』


一瞬、そんな返事を期待した。でも、やっぱりそんなはず、ない。


「じゃあ、どうして首を縦に振れないの⁉︎せっかく、やり直そう……って言ってやってるのに‼︎」


うわぁ……嫌な女。美人でも、ドン引きするわ……。



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