翻弄される男
「だって、そんなに胸元あけてたら、男は誰だって見ちゃうもんだろ?しかも、好きな女にそんな格好されたらさ、我慢出来なくなるのが普通だよ。俺みたいに……」
私は、思わず胸元を隠した。
「高田先輩はどうかな?俺みたいにキミに欲情した?」
「それは……」
言葉が出なかった。
こんな形で……しかも、よりにもよって、上野さんに見透かされているなんて……。
悔しい。
悔しいけど……今の私は何も言えない……。
「高田先輩は、社でも有名なヤるだけの男。篠崎さんだって、利用されて……」
「先輩はそんな人じゃない!先輩は……私を凄く大切にしてくれてます。私に、色気が足りないだけで……これは、私の問題だから」
「でも、その努力も高田先輩には全く届いていないと思うけど?」
「それは違うな」
不意に聞こえてきた大好きな声。
目の前の上野さんの表情が一変すると、私の身体は、グイッと引き寄せられて、先輩の影が私を遮る。
「先輩……」
「届いてるよ。ちゃんと。俺は、ありのままの篠崎ひなのを愛してる。誰にも代用は出来ない」