HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「わかりました…」
 



――――砂糖とミルクは要らないから



佐野部長はそう言い捨てるとブチッと内線を切った。



私の正体を知りながらお茶出しさせるとはなんて男なの…




「…佐野部長にコーヒーを頼まれたのですが…」




「そう…私が給湯室に案内するわね」




「お願いします…」




私は宇陀先輩に給湯室の場所を教えて貰う。



私の好きなコーヒーメーカーのレンタルサーバーが置かれていた。



「今日は私が淹れるけど、明日は貴方が淹れてね」




「はい」



宇陀先輩には遅刻の件で凄く叱られたけど、その後は丁寧に何でも判らないコトは教えてくれた。




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