HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
電車はスローにカーブするレールに従って、傾斜して進んでいく。その度に身体は揺られる始末。



私は、吊皮を掴むコトが出来ず、揺られる度にヒールの踵で賢明に踏ん張った。周りの人も揺られるので、ジッと棒のようには立つコトは出来ない。



おまけに空調はきいているはずなのに人の熱でサウナ状態。



睡魔の誘惑に負けた私が悪いんだけど。




これが毎日、続くと思うと憂鬱だ。



「!?」



私のお尻に固いモノが当たる。




―――――まさか…これって…?












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