HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
柾史はエンジンをかけながら笑い、私に目を向けた。



「それ位判ってるわよ」



「わかっていても嫉妬した…可愛いヤツ…どんだけ俺に惚れてんの?」



「いっぱい」



「今日はやけに素直だな…」



柾史は身を捩って私の座る助手席のシートに身体を寄せる。



目の前に見えるのは、高めの植え込みで完全な死角になっていた。


隣に停車していた車は既に出て行った後。




柾史は弄ぶように私の上唇を軽く食んで、そのまま甘いキスを落とす。



チュッチュッと何度も小刻みにリップ音を立て、浅く深いキスを重ねる。



キスの音を訊く度に鼓膜が震え、子宮が疼く。


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