HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「は…あぁ…」



甘い吐息と一緒に零れる私の言葉未満の声。



「俺もいっぱいだ…」



柾史は私を情欲の満ちた瞳で見つめていた。




彼はキスの後も私を両腕で抱き込んだ。



夕陽の光が抱擁する私達の身体の輪郭を輝かせる。




柾史は腕の拘束が緩ませ、クスッと目尻を下げて笑う。唾液で濡れた私の唇にまたキスをした。









柾史はキスだけをして、運転席へと戻ってシートベルトを着ける。



私の身体は欲情の熱波が押し寄せる。でも、その熱は吐き出せず身体にこもったまま。





その熱にうなされて気を失いそうだ…部屋まで持たないかもしれない。




そんな私を判っていても知らない振りをするSな柾史は呑気に口笛を吹きながら、ハンドルを握って駐車場から車を出した。





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