HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「近江社長は末期の胃癌だ…年齢が年齢だし、進行は遅いけど…多分、もって半年だと思う」
「お爺様が胃癌…」
私の目の前が急に真っ暗になった。
「この間の心臓の定期検診で、胃に違和感があると言われて念の為に検査をしたんだ」
「そうですか…」
「俺は入院を勧めたんだけど…近江社長は…」
伊集院先生は語尾を濁して唇を噛み締める。
「『わしにはやるべきコトが沢山ある』と言って…入院を拒み続けた」
お爺様は入社して来る私の為に…
お爺様の気遣いに瞳が熱くなって涙が零れる。
―――――私は高齢で病を抱えているお爺様に負担ばかりかけている。
「お爺様が胃癌…」
私の目の前が急に真っ暗になった。
「この間の心臓の定期検診で、胃に違和感があると言われて念の為に検査をしたんだ」
「そうですか…」
「俺は入院を勧めたんだけど…近江社長は…」
伊集院先生は語尾を濁して唇を噛み締める。
「『わしにはやるべきコトが沢山ある』と言って…入院を拒み続けた」
お爺様は入社して来る私の為に…
お爺様の気遣いに瞳が熱くなって涙が零れる。
―――――私は高齢で病を抱えているお爺様に負担ばかりかけている。