HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
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「優奈さん…」



お爺様は東亜医科大付属病院に緊急搬送された。



お爺様の処置に当たったのは伊集院先生だった。



尚也さんとの見合いのコトを相談したいと思うけど、今はお爺様の容体が心配。



「お爺様の容体は?」



「近江社長から何か訊いているかな?」


伊集院先生は重い口調で私に問いかけた。その表情は険しい。




「いいえ、何も訊いていません…お爺様は何かの病気ですか?」



「場所を変えようか…」



伊集院先生は私をカンファレンスルームに案内した。



伊集院先生が、個室に案内すると言うコトはお爺様は心臓病以外に何か病を抱えている。


私が沈鬱な表情でいると、伊集院先生が椅子を引いてくれた。



「座ってくれ」



「ありがとうございます」


私は椅子に腰を下ろした。


伊集院先生も私のそばの椅子に腰を下ろす。先生の表情はやはり険しい。


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