HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「常務貴方って人は…!?」



俺は鋭い目で常務を睨み据え、デスクに両手をバンとついて身を乗り出した。



「佐野部長の出方次第だな…貴様がわしの娘と結婚すれば、優奈さんには多少の財産は残してやる。会社にだって籍を置かせてやろう」



「俺は…そもそも…」



俺はこともなげに常務の話の腰を折った。





「亜矢子は貴様でないとダメなんだ…わしは納得していないが仕方がない…わしの義理の息子となれば、専務の椅子くらいには座らせてやるよ」




常務は口惜しげに吐き捨てながらも、デスクに肘を付いて両手を組み、顎を乗せてジッと俺の言葉を待った。



常務は一人娘の亜矢子が心の底から可愛いらしい。



娘の望むモノを全て与える深い親子愛。



しかし、常務の愛は間違っている。拒絶しているこの俺に優奈を盾に結婚を迫るなんて。













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