HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「どれでもいいよ。優奈ちゃんの好きなスイーツを食べてくれ」



トレーには食べきれないほどのケーキ類に、小さな布張りの籐カゴには焼き菓子とクッキーに乗せられていた。




「こんなに食べきれません…」



私は出されたスイーツの多さに目を見張った。




柾史は呆れたように押し黙って、コーヒーを啜る。



全部は食べきれなかったけど、小早川さんの厚意を嬉しく受け取り、食べられるだけ胃袋に収める。




「しかし、近江さんも大変だね。具合はどうなの?」




「…日によって身体の具合には波があって」




高齢の身体には抗がん剤の副作用は大変な負担となっていた。



お爺様は私の為に少しでも余命を伸ばそうと懸命だった。



柾史に捨てられた私を不憫に思っているらしい。




今度、見舞いに行った時は吉良さんをお爺様に紹介しようと考えていた。



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