HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「帰ったぞ!!」



仕事から帰って来た柾史。



右手には駅前の和菓子屋さんの紙袋を提げていた。




「優奈…おはぎ買って来たぞ」



私のおっぱいの出が悪いのを気にして…良くするにはおはぎがいいと訊いて、買ってきてくれた。



お互いに家族を失った者同士。

家族と言うのがどう言うモノなのかは判らないコトもあるけど。



男と女が愛し合い、結婚して

命を産み出して、新しい家族を迎える。

それでいいんだと思う。



「ただいま…ゆうちゃん」



柾史は低く優しい声で語りかけた。



柾史の指先に小さな優希の手が絡まる。そして優希は無垢な笑みを浮かべた。




「パパもボクにもあくしゅして」



「はいはい」




今日の何気ない出来事も、私達の日常のひとコマとして想い出に変わる。


身勝手な男だった柾史は今は素敵なマイホームパパ。

そして、私の夫だ。

私の家族はイケメンの元身勝手男の柾史に、可愛い息子・正人、生まれたばかりの娘・優希、いつまでもふてぶてしい・ボス猫ゴンザレス、オトナになった仔猫のアリエッタ…



4人家族+猫2匹。




私達はこの家で沢山の想い出を作っていくのだろう。




    FIN




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