俺は、負けず嫌いで鉄面皮だから

ここは、三流大学といっていい、辺鄙な南にある大学だ。

しかし、三流こそ一流を目指していろいろと制度を作ってレベルアップしようとしている。

冷夏はちょうど今の学長が力を入れ始めたその年に入学した。

授業時間が伸ばされたとか、宿題が増やされたとか、自由な学習時間が奪われたとか、様々なコンテストに参加と強制されたとか、いろいろこうとああとされたが、もっとも冷夏のような学生を苦しめたのは、1、新しく新聞社から迎えた先生の一員で高橋、2、新しく導入というか作ったというかはっきりとは言えない制度の一つ、クラブと命名されて、実は学生への管理をかためるための制度だ。

学生に幅ひろい視野を求めるためとの理由で、教育人間科学系以外の、自然系や文学系など合わせての十数の学科をランダムに混ぜて、三つの科の全部の学生をいれたクラブだ。そうして、学校全体は四つのクラブを有することになった。ついているかどうか言えないほど、冷夏の属している国語専攻が、芸術専攻と数学専攻の学生と、4番目のクラブを成り立ててしまった。

クラブずつに、管理委員会が設けられている。委員会長は学生の中でも評価のいい教授だが、さすができる教授なので、身の回りが忙しく管理はできないので、学生から選ばれた管理委員たちに任せっぱなしだ。管理委員会の補足に学科ずつに名誉顧問が二人いる、それに、国語学科の名誉顧問が某新聞からのあの高橋と出身不明の藤井だ。名誉顧問というより、学校が重視しているコンテストの指導先生で授業もさせている。

高橋が学級ごとに十人ぐらいを選んで、左伝や詩経などの授業もやっているほか、ニュースやエッセイなどを書く特別授業をもしている、。冷夏とほかの十二人が一年生の末に、この特別班に入り、今学期の始めに、残った、淘汰されなかった冷夏などの五人が、とうとう高橋の癇癪に耐えられなくて集団逃走という場面になってしまったんだ。もちろん、会長に出した理由書やら説明書などに(これもかんかんと怒っていた高橋の命令の下で書いたもの)書き込んだ理由は、やはりもう三年生生活の後半に入ってから、就職活動にもっと集中したいとの言葉ばかりだった。

会長は何も言わなかったが、高橋がこの五人特に一組を代表する冷夏と二組を代表する静子をコブとして、常に除きたがっているみたいだが、時々困らせるほかは手段がなくて、今冷夏と静子もこの仕草に慣れていて、別にものとしていないわけだ。

さっきのコンテストの話は、一ヶ月前の委員会からの知らせからだ。要するに、クラスの風采をクラブ全体に見せるとのことで、参加に強いることだが、実際にいってみたら、三年生の四つのクラスのうち、冷夏のクラスだけだった。二日前、冷夏は徹夜してビデオ作りを勉強して急いで作ったやつだ。しかも、「減点する」と三通のメールで冷夏は脅かされたからだ。

これも、管理委員会の幹部らが代表した二年生と、実権のない三年生との傷が深められた証だ。

百合は冷夏と同じクラスで、一応副会長だが、飾り物にされかけているところなのだ。これを知って、冷夏は一層二年生が大嫌いになった。

最初のころから、二年生たちがまだ一年生の時から、ちゃんとあいさつすら出来ないこの後輩たちが嫌だった。学校で会ったら、いつもこっちからあいさつしても、そっちは無視することが多かった。その時、鈍感な冷夏はただ眉を顰めただけが、三年生になってから、同じく国語専攻でも、二年生のほうは明らかに数学の学生たちともっと親しい、これを見て、ようやく冷夏は二年生からの敵意を認めた。

その裏に、幹部らを支えるか操るか、あの先生の役を気にならないわけはない。藤井だ、冷夏はかげで「くそ爺」と呼んでいるあの先生。高橋ほど威張れないが、人気を集めながら、高橋と同じほどの講師だ。

「三流」との印は、ちゃんと先生らの額に貼り付けている。
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