もう弟なんてやめてやる。
「どんなに綺麗でも、どんなに可愛くても、みんな全滅だって話だよ。今までどれだけの女の子が泣いたことか。お宅の弟さんは、超面食いなの?」

「そ、そんなことはないと思うんだけど……」

「あ、……」



穂乃華の声に視線を向けると
雫の瞳に映る───、走ってく松井さん。



「あれは散ったね」

「…………」

「相当自信があったんだろうに…。松井さん憐れ…」



そう言いながら
お弁当を食べる作業を再開する穂乃華。

雫の瞳には
中庭で突っ立ったまま微動だにしない陸。


「……?」


どうしたんだろ……?



「そう言えば、雫は進路決めたの?」

「うん、決めたよ。R大」

「あ、R大!?大丈夫なの?」

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