-かなめひめ-
100の命を捧げたその女は、勿論周囲から憎悪の対象とはなっていたのだが、近づこうとはしなかった。
何故かといえば、
_____不老不死を維持させるには、もっと人の命を神に捧げなければならない。
住民たちはそんな巫女の考えを察したために、近づこうとはせず遠い距離を置いていた。
にも関わらず、巫女は住民たちに近づいてくる。
その頃から、巫女と住民たちの互いの関係はさらに劣悪を極めたという。
今にも巫女と住民同士で戦が起きてもおかしくはない状況だった。
巫女は不老不死維持のため、人殺しを再開しなければいけない状況となったが、巫女自身は人殺しを面倒くさがった。
真っ向から対戦しても無限ではない体力は消耗するし、手を混んだ仕掛けを作ろうにもはたまた疲労は募るからだ。
そこで、巫女は考えた。
不老不死とともに、呪術も心得ていた巫女は、適当な人間にある印を押した。そして、その人間の周りを何かしら不幸にさせるように仕向ける呪いを掛けたという。
突然不治の病に犯され、容赦無く床に伏せ、拷問されるような散々な永い苦しみを味わった上、ポックリと死んでしまう_____。
その呪いとは、住民たちを恐怖に震えさせるには十分すぎるものであったという。