第2弾しましまパンツマン
詩月が曲を弾き終えると、時計を観ながら「おい、そろそろ行こうか? また女将から電話が来そうだ」と理久が言う。

詩月は急ぎながらも丁寧にヴァイオリンを仕舞い、荷物とケースを抱えたが、ケースだけ残し、荷物は理久がサッと背負った。



「ありがとう、助かりました」

カウンターのダイアに向かい、詩月は深々と頭を下げた。

「また、ゆっくり来ます」

そう言い残し、3人の大学生はイチノと共に店を出た。


演奏の感動冷めやらぬダイアは、カウンターの中で淹れたての珈琲を前に頬杖をついた。

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