第2弾しましまパンツマン
紅い月
――黒玉村、コルキ旅館。

「居(お)らん!! あいつが居らん。部屋がもぬけの殻じゃ」

「無銭宿泊!?」

「いや、宿泊費は机の上に封をして置いちょった」

「ならいいでし……」

「えーーーΣ(・□・;) あの昨夜の騒動で、もぬけの殻やのに……怪しい。怪しすぎるじゃろ!? 女将ーーーっ!!」

叫びながら、廊下を一目散に走るイチノの声が響き渡った。



駅前広場。
茶祭り会場は開始時間を間近にし着々と、準備が進められ、客も集い始めている。

しずっちが花吉と会場点検をして回る中、ふと空を見上げた。

「あ!!」

「しずっちちゃん、どうしたん!? 急に立ち止まって」

しずっちは空を指差しながら答える。



「花吉さん、紅い月……」

青く澄みきった空にプカリと紅く丸い物体が浮かんでいる。
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