君色。〜ずっと忘れない〜
がちゃっ

私「あっ。お母さんいる。優也玄関の外で待ってて。服とかつめてくる。」
そう言って自分の部屋に行った。

洋服とパジャマと下着。あとは歯ブラシと洗顔クリームと化粧水。携帯の充電器もつめてずっと貯金していたお金もつめた。家出する気分。実際そうなんだけれど。
準備が整い、リビングに行った。
するとお母さんと知らない男の人がお酒を飲んでいた。
私「っお母さん!」

母「誰?あ、苺?やめてよこんなときに」

男「おい、お前子供いんのかよ。聞いてねぇーぞ。」

母「うるさい。苺、あんたどこいってたか知らないけど、いない方が楽だったわ。邪魔なのよ。嫌ならうちに帰ってこなくてもいいのよ。」
母親はお酒を飲みながら、冷たい言葉を放った。

悲しかった。悲しくてしょうがなかった。だから走った。玄関の戸をバンっと開け夢中で走った。荷物がぎっしりと入ったカバンを握りしめて。
< 48 / 273 >

この作品をシェア

pagetop