獣耳彼氏



京子も京子で諦めが悪いんだから。


京子と部長は同じ空気を感じるのはやっぱり気の所為ではない。


似たもの同士という意味で。


部長のほうが頑固で、面倒くさいけど。



いつかストーカーにまで発展しそうで、それが今一番の恐怖。


今でもある意味ストーカーみたいなものだし。


どうしたら、私のことを諦めてくれるのか、その手段がなかなか思いつかないのが難点。


対策を立てて実行したところで、何しても喜びそうで。


私に彼氏でも出来たら本当に諦めてくれるのかな。


ひたすら、一日部長対策を考えていたけれど、結局何も思いつかず気づけば放課後になってしまっていた。



「ねぇ、京子。どうしたら部長諦めてくれると思う?」



空手部道場。女子更衣室にて。


私は京子に助言を求めた。


自分一人では答えを出すことが出来なかったから。


一番事情を知っていて、ふざけつつもいつも助けてくれる京子ならいい答えを出してくれるんじゃないかと思って。



「え?そんなの部長と付き合ってしまえば万事解決…」


「それだけは、絶対に嫌」



しかし、やはりと言ってか彼女の口からは昨日も聞いたような答えが返ってきた。



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