告白 1&2‐synchronize love‐
「チケット持ってんの!?」
建物に入ろうとしたところ、入り口付近でたむろしていた女のコの一人に、コートの袖を引かれた。
真っ赤な髪を逆立て、目のまわりを真っ黒にしたそのコ。
化粧のせいで年がはっきりしないけど、あたしより年下かもしれない。
「チケット持ってんならゆずって! お願い! 倍額で買うから!」
その必死な声にあたしが戸惑っていると、人がどんどん集まってきた。
俺もあたしもと、みんな真剣な顔で懇願してくる。
やっぱり人気なんだ、パパノエルって。
ユウナ先輩にCD借りただけのにわかファンなあたしは、なんだか申しわけなくなってくる。
「悪いけど」
黙りこくるあたしをかばうように立って、三上くんははっきりとした口調で彼らを遠ざけた。
「急ぐんで。…酒井さん、行こう」
「…うん」
手を引かれ、あたしは自分の気持ちの整理をつけられないまま、中に入った。
古い建物らしく、床のタイルはあちこちひび割れている。