告白 1&2‐synchronize love‐

喜ぶ?

誰が?

恭兄ちゃんはもう、ここにはいないのに。

けど…

なんだろう。

優しい匂いがこの部屋に満ちてる気がする。

彼の、匂いなのかな。

そう考えると目をつむったら、すぐそばに恭兄ちゃんがいるような錯覚を起こしそうだよ。

机に向かっている姿。

ベッドで寝転がって雑誌を読む姿。

ぎこちなくギターを弾きながら、歌を口ずさむ姿。

目を開けると、そこにアナタがいるんじゃないかって。

けど目を開けても誰もいなくて、代わりに机の上の白い小箱に気付いた。

それは、バレンタインの日にあたしが捨てた、チョコの箱だった。

持ってみたら軽くて、中は空。


「どうして…」


これがここにあるかなんて決まってる。

あの男がゴミ箱から拾って持ってきたんだ。

なんで、気付いたんだろう。

捨てたものがこうしてまた、目の前にあるなんて。

これが、恭兄ちゃんのもとに届けられるなんて。

< 731 / 790 >

この作品をシェア

pagetop