サイコーに愛しいお姫様。



一一翌朝。


職場まで徒歩圏内のアパートに住んでいる俺はいつも歩いて出勤。



近くに女子校があるからよく女子高生とすれ違う。思わず考えちゃうんだよな。


高校時代に相馬からなおを紹介してもらえてたら……制服デートとかしてたのかな?いや、部活が忙しくて無理か。



俺の知らないなおの高校時代。だけどこれからの人生はなお一色。



「気付いたらなおのことばかり考えてるな……」



俺は姫に虜。姫に魔法をかけられているらしい。



そんなことを考えながら歩いていたら突然目の前を歩いていた女子高生が俺のほうへと駆け寄ってくる。



「あのっ!突然スミマセン!毎朝すれ違うたびにかっこいいなって思ってました」


「はい?!」



突然の告白に固まる俺。



肩の上でサラサラと揺れている黒髪の女の子。小柄で真っ赤な顔をしていきなり告ってきた。



「これ手紙です!返事は明日の朝に聞かせて下さいっ!」



そう言って無理やり手に封筒を手渡された。そしてすごい勢いで走り去って行った……




……………………………。

き……既婚者ですけど?



ていうか高校以来だな。手紙なんてもらうの。久々すぎてドキッとしてしまった。




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